研究発表
お茶パックを用いた 胃瘻周囲炎抑制への試み
- 看護師 東津矢子・山下真由美・谷広美、 南病棟スタッフ一同
- 放射線技師 金津真也
- 医師 金昌基
当院では、胃瘻部の瘻孔からの浸出液により、発赤や悪臭を伴うスキントラブルが多く観察された。そこで、高橋らが提唱したお茶の効果を利用して、胃瘻周囲の皮膚トラブルの改善ができたので、 ここに報告する。
対象
年齢:85歳、 性別:女 疾患名:左視床出血後に胃瘻造設となった。
方法
胃瘻部の処置3方法で比較、100日間の継続観察を行った。
① テュシュペ-パをこよりにし、胃瘻部のチューブに巻き付ける。
② 私製お茶パックを胃瘻部に張り付ける。
③ ①+②を併用する。
作成方法
お茶パックを円形に切り、縫製し、 お茶を中につめ、約30分で作成した。
現在は、木工用ボンドを使用することにより、 作製時間は短時間に縮小している。
結果
こよりのみの時は、胃瘻周囲に発赤を認め、 強い悪臭・湿潤を認めた。
② 試製お茶パックのみの時は、こよりのみに比べて、悪臭は認められず、発赤・湿潤は軽減した。(肉芽形成が認められた。)
③ こより、お茶パック単独の場合に比べて、 発赤・悪臭・湿潤ともすべて軽減した。
考察
こよりには乾燥性、通気性を保つ効果がある。 お茶には抗菌作用、乾燥、防臭効果がある。
こよりとお茶を併用する事による相互効果により、 湿潤、発赤、臭いが、軽減出来たと考えられる。
今後、更なる症例を通して、 スキントラブルの軽減をはかりながら、 お茶パックの型の改良を加えてゆく必要がある。